2007年07月02日

極東ブログ 「吉本隆明『心的現象論』、雑感を読んで

吉本隆明「心的現象論」、雑感

吉本隆明は、若いころ随分無理して読んだものだ。無論サッパリ理解できなかったが。特に角川文庫が何を血迷ったのか出してしまった、「共同幻想論」「言語にとって美とは何か」「心的現象論序説」は、デザインが良かったこともあって、自室にカッコつけで飾って友人に見せびらかしたものだっけ。

学生時代に、勢いで紀ノ国屋ホールでの講演会にも行った。全くシャープな思想家というイメージとは程遠い、味のある仙人風情の人だった。ただ、ひとたび口を開く舌鋒鋭く、結構きついことも言っていた。対談でみせるあのこわもてぶりも、実際に話を聞くと生粋の「江戸っ子」のタンカなのだと理解できた。

「心的現象論」、ついに完成したそうだが、無論読む気もないし読んでも分かりっこない。ただ、finalvent氏も言われているように、最近は「分かりよすぎる」あっという間に読める本も大量生産しているので、ある程度読んでいる。特に、セプテンバー・イレブンについての文章は印象的だった。911については、テレビで見ていても本当のことは何も分からないので、チョムスキーやサイードを結局山のように読む羽目になった。

これらのインテリと比べると、吉本はかなり異質だ。文章中にも紹介されている、特攻隊の話、どう考えても、「良識的」ではない。しかし、これも指摘されている通り「平和主義」の欺瞞に我慢が出来ない人間の心情発露なのだろう。少なくとも、フィッシャーのような「いっちゃった人」とはワケが違う。それでも、やはり「極東ブログ」さんのマネして欺瞞的平和主義者としては「ビルの中の人間の避難」について言いたくなってしまうのだが。

近著では、ロッキンオンの渋谷陽一が編集した、よしもとばななとの父子対談が面白い。父の指摘の通り、よしもとばななは「正道を行っている」本格作家である。そのなかなか理解されない当たり前の事実をきちんと指摘しているだけでも、やはりクリティックとしては二重丸であろう。ばななファンの方は、是非一読をお勧めする。よしもとばななについては、機会があったら書いてみる。

それでも、本を読むのがイヤだというわがままな方のために、糸井重里のインタビューのリンクをはっておいた。なかなか面白いです。「極東ブログ」さんには酷評されること間違いなしだけれどもね。

posted by rukert | Comment(0) | TrackBack(0) | ブログ記事
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