2011年01月31日

成瀬巳喜男「乱れる」メモ



「女の座」と設定や役者や雰囲気が似ていて姉妹編のような作品。なんだかテレビのホームドラマの大家族もののようだ。と思ったらテレビドラマがもとらしい。なるほど。
「女の座」でも変わり者のオールドミスを怪演していた草笛光子が、ここでもイヤな女をやっていて憎たらしくて素晴らしい。前半は、コメディタッチで加山雄三もうまくはまっている。後半は、加山と高峰秀子の純愛の様相を帯びる。加山に告白された際あたりで電話の会話のシーンで見せる高峰の女らしい表現はさすがに巧みである。「浮雲」のような世界が展開されるのかと、ちょっと期待してしまう。但し、真剣な愛のシーンになると、加山の方はちょっと繊細さに欠ける。そういう役の設定だけれども、こういう愛のドラマの高峰の相手役としては、すくし物足りなくて役不足のように感じてしまう。
そしてラストもあまりに唐突だ。全体に、脚本が粗い。コメディっぽいホームドラマのようだったり、少し練れてない愛情劇だったり。まだ、「女の座」の方が、コメディに徹していて面白いと思う。どちらにしても、成瀬が現代劇と取組んで苦戦しているように思えてしまう。どうしても古い時期の素晴らしい成瀬作品と比べてしまうと。
posted by rukert | Comment(0) | TrackBack(0) | 映画
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