2010年01月19日

浅川マキ追悼

昔からジャズは好きで渋谷毅をよく聴きにいったりしたのだが、その流れで浅川マキと遭遇することになる。錚々たるジャズミュージシャンにひきつけられて出かけたライブ。恐らく当時は名前だけしか知らなかったマキさんが静かに登場する。彼女の周りにはまったく独特の非日常的な空気が流れているのが誰にもすぐ感知できる。アンニュイで暗いが不思議にとても暖かい独特の歌声とオーラに誰もがいきなり引きずりこまれてしまう。そして、深々とした人間の心の奥深いところにある原光景をかすかに思い出さずにはいられない声でそっと歌いだす。もはや豪華なジャズミュージシャンたちも、完全に彼女にひたすら仕える従僕に過ぎない。
まぁ、そんな誰もが洗礼を受けるマキ体験を私もしたわけです。
いつになくこみあう新宿のピットインで何度か彼女だけの世界を体験したわけなのだが、いつだったかちょうど美空ひばりが亡くなった時で、マキさんはひばりをひそかに敬愛していたとか何とか例のボソボソした喋ると、いきなりひばりナンバー(何かは失念してしまった)をアカペラで歌いだした。美空ひばりも深いところで唯一無比の歌声だったが、存在感では決してひけをとらないマキさんの肉声がライブハウス全体をスッポリ包み込んだ。
人の声が、ある種神聖で特別なものであることを理屈ぬきで感じさせる稀有なヴォーカルだったと思う。
posted by rukert | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽
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