2009年01月23日

ピンクパンサー4(ピーター・セラーズ、ブレイク・エドワーズ監督)



ピンク・パンサー4 – Wikipedia

ピーター・セラーズの最後の出演作。一応セラーズ不在でシリーズはつくられ続けるが。
ドタバタコメディ、悪乗り路線の完成作である。完全にシリーズとして練れてきて、各キャラクターの個性が分かりやすく固まっている。
シリーズ中に役を変化して登場するグレアム・スタークは変装指南のボールズ教授役。「暗闇でドッキリ」で初登場したときとは別人のような、おふざけキャラに立派に成長した?
セラーズの変装も、もう恥ずかしさをかなぐり捨てて、馬鹿馬鹿しさを極限まで追求するに至っている。女装してキ印と間違えられ、名脇役フランソワには死んだと思われメチャクチャ言われ、ケイトーの経営する売春宿ではドタバタの大騒ぎなど、とにかく分かりやすい。見る側が期待するところを臆面なくやりきっている潔さがあるのだ。シリーズ中の典型的な作品として一般に安心しておすすめできる一本といえる。
ヒロイン役はダイアン・キャノン。ドタバタ喜劇にふさわしいキャラクターの女優で、体当たり演技で健康なお色気を惜しげなく振りまいている。個人的にちょっと勘違いしたのだが、「チャーリーズ・エンジェル」のファラ・フォーセット・メジャーズとも、ちょっと感じが似ている。
ハーバート・ロムのドレフュスも健在。彼の上役との会話シーンも、相変わらず実にうまい。クルーゾーか死んだとおもいこんで葬儀をするのだが、その弔辞をドレフュスが読めと上役に言われる。無論ドレフュスは必死に断る。クルーゾーのために精神病になったのだから当然だ。しかし、上役がとどめの言葉を言う。
「署長夫人がスピーチを書いたのだ」。と。
直後、ドレフュスの泣き出さんばかりの顔のアップが映し出される。弔辞を読む場面は、ピンクパンサーシリーズ史上、いやコメディ映画史上の名シーンである。クルーゾーを褒め称える内容のスピーチをドレフュスは、錯乱して泣きながら読む。それを人々は、ドレフュスが悲しんでいると解釈して泣くのだ。ここでのロムの演技は完璧である。字幕だけでは伝わらない、一語一語の発音の仕方、動作を堪能したいシーンである。
最後はセラーズとキャノンが語り合いながら夜道を歩いていく静かなシーンで終わる。ケイトーのバート・クウォークも今回は乱入しない。これがセラーズの最後の作品だと知っているかのように。
結局は、このピンクパンサーシリーズを支えているのは、ピーター・セラーズの役者、人間としての格の高さや気品なのだと思う。


posted by rukert | Comment(0) | TrackBack(0) | 映画
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