2009年01月22日

ピンクパンサー3(ピーター・セラーズ、ブレイク・エドワーズ監督)



ピンク・パンサー3 – Wikipedia
ストーリー等はウィキペディアを参照されたい。というか色々よく知っている人が書いていて、あまり付け足すことがなくて困る。
そう、ドレフュス役のハーバート・ロムがオルガンを弾くシーンがあるが、それは彼自身が主演した「オペラ座の怪人」のセルフ・パロディなのである。テレビで見たことがあるが、実に本格的正統派の演技だった。もともと実力派の俳優なのである。そういう人が本気でやっているから、あれだけおかしいのだ。
本作は、クルーゾーとドレフュスの対決そのものがテーマになっていて、娯楽作に徹している。最後に直接対決する場面の、二人の笑いの演技、特にロムの笑いっぷりは見事だ。まさしくあの笑い声が、演出上使われている笑気ガスとなって我々観客に襲いかかり、一緒に笑い出さずにはいられないのだ。
このシリーズの場合、いろいろなシーンやキャストの焼き直しや使いまわしも見物の一つである。
例えば、いきなり冒頭からドレフュスが精神分析医と会話するシーンがあるが、あれもおきまりのパターンである。ある作品では分析中に激情に襲われて、分析医の首を絞めて殺してしまったりする。あのロムのやり取りのうまさ、味。笑いながら演技を堪能する。本当に達者な役者だ。
屋敷の使用人を集めて尋問するシーンは、「暗闇でドッキリ」の名シーンの焼き直しだ。ただ、本作はもっと過激に馬鹿らしくなっていて、グランドピアノを叩き壊すなど、やりたい放題である。基本的にシリーズが進むに従って無茶する度合いがエスカレートしていくという法則がある。
執事の気難しい男が、実は夜は女装して歌姫に変身するシーンも良い。実に見事な裏声なのだが、それを聞き入るセラーズの憤懣やる方ないという表情もよろしい。
ケイトーとの格闘シーンもますます派手になってくるが、おかしいのはクルーゾーがせむし男の変装をするのに対し、ケイトーが「オマエは誰だ」と気付かない(フリをする)わざとらしさ白々しさの見事なこと。
今回見ていて、以前には面白さに気づかなかったのは、最後のロシアのスパイとのベッドシーン。セラーズの、ベッドインまでのもたつきよう、画の作り方、音楽など、こんなに間抜けで面白かったっけ。
ウィキペディアでも触れている通り、グレアム・スタークが毎回別役で登場する。もともと「暗闇でドッキリ」で、クルーゾーの間抜けな部下として登場していて、どちらかというと抑制的な演技だった。が、回を重ねるに連れて、彼も役者としての本性をあらわして、セラーズ顔負けの羽目のはずし方である。
ちなみに、スタークのホテルボーイに対して、クルーゾーが名乗る偽名は「ギイ・ガドボワ」、ピンクパンサー2で登場した、アホプレイボーイの変装の名前である。なぜかクルーゾーのお気に入りなのだ。
というようなことを、シリーズマニアは楽しんでみることが出来るようになっている。
本作は、セラーズ以上に、ハーバート・ロムが主役と言ってもいい作品であった。


posted by rukert | Comment(0) | TrackBack(0) | 映画
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